さび病(さびびょう)
【病原体】
- 糸状菌(カビ)の一種で、主にネギやタマネギなどのネギ属植物に感染します。
【診断のポイントと症状】
- 葉の表面にオレンジ色のやや盛り上がった小斑点(夏胞子堆)ができ、やがて表皮が破れて胞子を飛散させます。指で触るとオレンジ色の粉が付きます。
- 多数の病斑を生じた葉では、黒っぽい小斑点(冬胞子堆)を形成することもあります。
- 病斑が多数生じた葉は、やがて枯れていく。
【発生の原因】
- 畑の周辺にさび病のネギ属植物があると、秋に出た葉に感染します。越冬後に感染葉が枯れない場合には伝染源となり、春からの発生が早まる場合があります。
- 降雨よりも、葉が朝露で濡れる状況で病斑はよく作られます。
- 窒素肥料が多い圃場で発生が多くなります。
- 20g前後の大きい種子を植えた場合、発生が多くなります。
- 圃場周辺にさび病が発生したネギやタマネギなどがある場合は、多発生になる傾向があります。
【対策と防除】
- 窒素肥料は適正量を施しましょう。特に、ウイルスフリー種子や20g前後の大きい種子の場合には施肥量を少なめにして、生育に合わせて追肥しましょう。
- 発生前や発生初期には予防剤を丁寧に散布します。
- 圃場全般に発生するようになれば、治療効果のある殺菌剤を選択しましょう。散布数日後にオレンジ色の病斑が白く変色すると治癒した証拠です。
- ヤマセなど冷たい霧雨が降るような地域では、アミスター20フロアブルやシグナムWDGなどQoI剤を組み合わせて複数回も散布すると、他の病害の発生を助長する場合があるので、できるだけ少ない回数にしましょう。