イモグサレセンチュウ
【被害と症状】
- ニンニクの他、バレイショや球根アイリスで被害が報告されています。
- 植物寄生性のクキセンチュウの仲間で、糸状菌を食する菌食性線虫でもあります。
- 今のところ、イモグサレセンチュウはどこにでもいて、自然発生するような線虫ではありません。線虫に汚染された種子を知らずに植えることで発生します。
- 植付から収穫までの生育状況から、イモグサレセンチュウの発生を知ることはできません。収穫したニンニク全部が腐敗するような圃場でも、健全と同様なニンニクが収穫できます。
- 収穫乾燥後約40~80日で側球(鱗片)の発根部から灰褐色に変色し、カビを伴って腐敗してきます。特有の腐敗臭もします。鱗片を切断するとスポンジ状に変質していて、そこを水に漬けて数分放置すると、白くて細かい糸くず状のもの(線虫)が無数に出てきます。
- ネコブセンチュウやネグサレセンチュウのように土壌を採取して調査しても、わずかな数しかいません。残渣の根を調べると、多くの線虫が検出できます。
- 菌食性線虫なので、餌となる植物がなくても土壌中の多くの糸状菌を食して生存しています。そこで、ニンニク栽培を10~20年ほど休んだ圃場で、栽培を再開すると1~2年で被害が多発してきます。
【対策と防除】
- イモグサレセンチュウが感染していない種子を使用し、未発生の圃場で栽培します。
- やむを得ず、イモグサレセンチュウ発生圃場で栽培する場合は、ネギ属植物以外2作以上輪作するか、必ず被覆して土壌消毒しましょう。
- 土壌病害による根の腐敗を増やさないために、深耕(プラソイラー、サブソイラー)で耕盤を壊して、水が溜まらないように排水対策を必ず実施しましょう。特に、プラソイラー耕後の施肥や整地の耕起回数は数回程度にしましょう。
- 種子消毒をしたものを植え付けます。
おすすめの農薬
- ベンレートT水和剤20
- ラグビーMC粒剤(土壌消毒)
- ネマトリンエース(土壌消毒)