モザイク病(ウイルス病を含む)
【病原体】
- アブラムシで伝染するモザイク病の病原ウイルス2種類(LYSVとOYDV)
- チューリップサビダニ(以下、サビダニと略)で伝染するモザイク病の病原ウイルス4種類以上
- アブラムシで伝染する無病徴のウイルス2種類(SLVとGCLV)
【診断のポイントと症状】
- 葉に濃淡のモザイク、黄色条斑(ストライプ)を生じ、軽度な生育抑制になります。
- 追肥後など、窒素肥料が効いてくると症状は明瞭になりますが、収穫期が近くなると症状は消えるようになります。
- ウイルス感染によって、極端な萎縮や枯死することはありません。
【発生の原因】
- ニンニクは栄養繁殖性植物なので、基本的には全ての株は何種類かのウイルスに感染しています。珠芽も側球(鱗片)と同じ栄養繁殖体なのでウイルスに汚染しています。
- 高温処理などでウイルスを除去することはできません。
- 圃場周辺のラッキョウ、アサツキ、ノビルや観賞用アリウムなどネギ属植物からアブラムシ伝染でウイルスが感染します。
- サビダニが寄生したニンニク鱗球を、健全種子と一緒に保管して置いておくと、サビダニが移動して吸汁することでウイルスに汚染されます。
【対策と防除】
- 茎頂培養したウイルスフリー種子を使用します。
- 原種となる種子は、できるだけ寒冷紗を張ったパイプハウスや不織布トンネルなどでアブラムシの侵入防止策をして栽培しましょう。
- ウイルスフリー種子の増殖用圃場はネギ属植物から100m以上離して、越冬可能なオオムギやライ麦など障壁植物で圃場周辺を囲うようにしましょう。
- サビダニ寄生の恐れのあるニンニクで作業した日は、ウイルスフリー種子用圃場には近づかないようにします。
- アブラムシやサビダニに有効な殺虫剤を、定期的に散布しましょう。